自宅でコーヒーを淹れ始めた人にとって、コーヒーにハマっていく段階が何段階かあります。
インスタントコーヒー → ドリップパック → ペーパードリップ → コーヒーミルで挽く
このあとが豆を自分で焙煎する。
この段階のハードルは他よりも高いです。なんせ家でコーヒー豆を焙煎するってイメージが湧かないですもの。焙煎ってなんか大きい専門の機械で焙煎するんじゃないの?と。
私もそう思っていましたが、youtubeなどで勉強してみたところ、イケる!と思うようになりました。
その手順をさらに分かりやすく、とっつきやすく説明します。
ざっとの手順
あらためて準備するものもほとんどなく、すぐに始められます。
手順は簡単で、中火で5秒に1回鍋を振るだけ。豆にまんべんなく火が入るようにイメージして、しっかりと振るだけ。10分過ぎたころから、パチパチと音が出てきます。
これが「1はぜ」。
そのあとチッチッチッチという音に変わります。
これが「2はぜ」。
30秒くらい2はぜの音を楽しんだら出来上がり。豆をしっかり冷やします。
ざっと説明するとこんな感じです。ここから詳しい手順に入ります。
準備
- ガスコンロ
- 片手鍋(フタ付き)
- 生豆
- ざる
- (オプション)タイマー
- (オプション)キッチンスケール
ガスコンロ
理想は火力が安定するカセットコンロです。
キッチンに備え付けのガステーブルの場合は、安全装置が働いて火力が押さえられてしまいます。それでも出来ないことはないので、家にカセットコンロがないって場合は、ガステーブルでやってみましょう。
IHでは試したことがないので触れないでおきます。
やってみたことがあれば逆に教えていただきたいです。
片手鍋
ホームセンターとかに売ってる片手鍋ならなんでも大丈夫です。
体感ですが、直径18cmのサイズで150〜180gくらいまでが焙煎に適した量です。
生豆
生のコーヒー豆ならなんでも大丈夫です。
生豆の買い方はこちらを参考にしてみてください。
ざる
家にあるもので大丈夫です。焙煎前の生豆が収まる以上のサイズが理想です。
焙煎後少し豆を振るのに使います。
タイマー(オプション)
スマホでもキッチンタイマーでもいいです。焙煎度合いの目安にすることと、5秒に一回鍋を振るタイミングの目安にします。
キッチンスケール(オプション)
計りです。
焙煎具合は見た目だけでは正確に分かりません。慣れたら焙煎度を正確に出して見たくなります。そのためにキッチンスケールを使います。
焙煎前と焙煎後の豆の重さを計ってください。
次の式で焙煎度を求められます。
焙煎前(g)÷焙煎後(g)=焙煎度
- 焙煎度目安表
- ・1.10…ライトロースト 浅煎り
・1.15…ミディアムロースト 中煎り
・1.20…シティロースト 中深煎り(一般的な焙煎度)
・1.25…フレンチロースト 深煎り
酸味と苦みのバランスが取れているシティローストをまずは目指しましょう。
豆洗う
焙煎前に豆を洗うべきかどうかは諸説有ります。
よく言われるメリットは、
- 味がクリアになる
- カビの除去などができて衛生的
デメリットは、
- 水を大量に使う
- 時間がかかる
水道代や人件費の観点から洗わないという意見が見受けられます。しかし、家庭で自分のために焙煎をするので、手間は惜しまず洗うことをお勧めします。
栽培~出荷までに水洗いの行程はあるはずですが、栽培元の農園の状況まではなかなか把握できません。汚れやカビが残っているかもと心配にもなりますからね。
ちなみに洗うと分かりますが、かなり濁った薄黄色の水になります。洗っておいて良かったと実感します。
洗った後は、水気をよく切り片手鍋に移します。
5秒に一回鍋をふる
コンロを中火にし、鍋を5秒に一回振ります。これをずーっと繰り返す。
振り方は、豆にまんべんなく熱が入るように一周させるイメージです。フタが無いときついです。熱々の豆が飛び出して、もったいないやら熱いやら。
出来れば中の状態を確認できるフタを用意しましょう。
「はぜ」
1はぜと2はぜというものが存在します。
1はぜの後2はぜが起こります。
1はぜは、焙煎が進んで茶色になり始めた豆がはじけるような反応です。
「パチ、パチ」という音です。
2はぜは、焙煎が終盤を迎えて豆からにじみ出たオイルが熱せられて起こる反応です。
「チッチッチッチ」という音です。
白い煙が大量に出てきます。
始めは音の違いを感じることに専念してください。これは「たまにチッチって聞こえるけど、これが2はぜなのかなー」って聞いていると、そのうち明らかに「チッチッチ」になってきます。
そのへんで火を止めましょう。
慣れてきたら2はぜが始まってから30秒くらいたったら火を止めます。ちょうどシティローストくらいになります。
豆を冷やす
火を止めたら、すぐにざるに移します。豆を冷ますために、ざるの中で豆をよく振ります。
煙や豆の皮(チャフという)がそこらじゅうに飛びます。しっかり対策をしましょう。
対策を怠ると家族に怒られます。そのくらい飛び散るので注意してください。
対策としては、掃除がしづらいコンロの隙間を隠しておくとか、冷ます作業は外でやるとかがいいと思います。
煙もチャフもなくなってきたら、日陰などに置いて冷ましておきます。
これで完成。
熟練してくると焙煎度を狙って焙煎することも出てきます。その場合は余熱で焙煎が進んでしまわないように、扇風機やドライヤーなどを使って確実に冷ます必要が出てきます。
まとめ
自家焙煎が出来上がりました。
できるだけ簡単な手順で説明してみました。
新たに準備するものも極力少なく、ハードルはかなり下げられたと思うので、是非みなさん気軽にチャレンジしてみてください。
自家焙煎した豆を、自分で挽いて淹れたコーヒーは格別に美味しく感じます。そして、一杯あたりの単価を下げられることに感動します。
自家焙煎を続けると、焙煎度の調整もできるようになってきます。そうなれば、自分が淹れられるコーヒーの幅が広がり、コーヒー道に広がりが見えてきます。
焙煎レベルをあげていきましょう。
それでは、コーヒーと共にあらんことを。